お勧め度
※甘評
原題:Inferno
監督:ダリオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント
音楽:キース・エマーソン
出演者
ローズ:アイリーン・ミラクル
マーク:リー・マクロスキー
サラ:エレオノラ・ジョルジ
カルロ:ガブリエル・ラヴィア
キャロル:アリダ・ヴァリ
カザニアン:サッシャ・ピトエフ
アーノルド教授:フェオドール・シャリアピン・Jr
エリーゼ:ダリア・ニコロディ
看護婦:ヴェロニカ・ラザール
ジョン:レオポルト・マステローニ
製作国:イタリア
公開:1980年(日本1980年)
上映時間:107分
あらすじ
ニューヨークに住む女流詩人のローズは、近所の骨董屋で「三母神」という古書を手に入れ、その内容から、過去に建築家で錬金術師であるバレリが3人の魔女のためにフライブルクとローマとニューヨークにそれぞれ館を建てた事を知る。そして自分が住んでいるマンションこそが3人の魔女の一人「暗闇の母」のために建てられた物ではないかと疑念を抱く。
不安になったローズはイタリアにいる弟のマークにニューヨークへ来て欲しいと手紙を書く。その後、好奇心に駆られたローズがマンションの地下を調べると、そこには水中に沈んだ部屋があり、腐乱した死体が漂っていた。慌てて逃げ戻ったローズだったが・・・
解説
今作は、「サスペリア」で大成功を収めたアルジェントがアメリカ資本の協力を得て、意気揚々と放った魔女三部作の第2弾!・・・だったのですが、興行、評判ともに何と大ゴケ( ̄□ ̄;)!!諸事情により米国では劇場公開もされない事態に。これによりアルジェントは作風を元のサスペンス系に戻し、最後の魔女作品は長い間封印される事となってしまいます。
失敗の要因
今作の興行がうまくいかなかった要因は、アメリカ資本で資金が豊富だった反面、色々な制約が入り自由に製作する事が出来なかった事などもありますが、何よりも作品の難解さ(支離滅裂なストーリーや意味不明なシーン)が原因と思われます。元々破綻の多いアルジェント作品ではありますが、その中でも群を抜いて破綻しているのがこの「インフェルノ」です。
ダークファンタジーの世界
「サスペリア」では白雪姫がモチーフとなりましたが、「インフェルノ」ではヘンゼルとグレーテルがモチーフとなっているようです。今作の主人公はローズとマークの兄妹ですし、どちらとも魔女が出てくるお話です。また甘い匂いがする館=お菓子の家と解釈できます。
魔女の館
今作に出てくる古書「三母神」に書かれている、3人の魔女のためにそれぞれ建てられた館ですが、フライブルクに建てられた館こそが前作「サスペリア」の舞台で、ローマに建てられた館が次作「サスペリア・テルザ 最後の魔女」の舞台となります。
※ここからネタバレあり(ネタバレが嫌な方はここから下は見ないでください)
感想
一般的には「ワケがわからんワイ┓(´Д`)┏」と酷評されている今作ですが、ファンの間では最もアルジェントの美的センスが発揮された、最もアルジェントらしい作品として人気があります。もちろん自分も大好きな作品です!極彩色を駆使した映像美は「サスペリア」と比べても全く遜色がないどころか、むしろ昇華されており、キース・エマーソンの音楽も素晴らしく、ゴブリンにも決して引けを取っていません。
ただ、あまりにも意味不明なシーンが多かった為、一般的評価を大きく下げてしまったのが残念です。(猫を抱えた謎の美女は何者やねん!?←魔女が惑わしにきた?)(ホットドッグ屋のオヤジは何考えてんねん!?←でもファンの間で意外と人気のシーンw)(ラスト←エッ?)
でも、そもそもアルジェント作品に意味や理由を求めてはいけません!例えばピカソの絵を見て「この絵はデッサンがおかしい」とか言う人はいませんよね?それと同じ事です。アルジェント作品は理屈ではなく感性でみなければならないのです。「考えるな、感じろ!」かのブルース・リーもそう申しております!
それにお忘れでしょうか?今作は魔女を題材にした作品である事を。魔女が巻き起こしている事なので、何が起こっても不思議ではなく、また常人には理解できなくて当然なのです!(ファン目線で思いっきり擁護w)
あと、主人公っぽく登場したアイリーン・ミラクルがまさかの途中退場となるのが個人的にはちょっと残念です。そういえば「暴行列車」でも散々な目にあってましたっけ。
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